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文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門に「パテマ」「ヱヴァQ」「有頂天家族」「ゴールデンタイム」等

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12月5日に発表された文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門は、大賞に14年ぶりの海外作品ユン監督、ローラン・ボアロー監督の『はちみつ色のユン』を選らんだ。しかし、大賞以外にも、話題の作品、注目の作品が、優秀賞、新人賞、さらに審査委員会推薦作品に挙がっている。
優秀作品は4作品、新人賞は3作品、さらに最終選考の対象となった審査委員会推薦作品が32作品である。アニメーション部門の応募作品587作品から選ばれた。

優秀賞の4作品は、それぞれに特徴がある。『有頂天家族』(吉原正行監督)はテレビアニメシリーズだ。森見登美彦さんの小説を丁寧な映像で定評のあるP.A.WORKSがアニメとした。そのキャラクター、美術、演出と、その斬新さがアニメファンからも支持が高い。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(庵野秀明総監督)は、2012年に公開されメガヒットを記録した人気アニメ劇場4部作の第3部。商業的な成功と同時に、アバンギャルドな演出やハイクオリティな映像も特徴になっている。

『サカサマのパテマ』(吉浦康裕監督)は、作家性を強く打ち出した商業作品だ。前作『イヴの時間』から引き続き、少人数の制作体制のなかで吉浦監督の個性を色濃く反映する。作家としての制作から長編アニメーション監督に至る吉浦監督の経歴は、アニメーション監督の新たなキャリアパスも感じさせる。
贈賞理由では、オリジナル作品で大人の鑑賞に耐え成長後の再見が楽しみな良質な少年少女向け作品とする。また新人賞候補でもあったが、むしろ優秀賞としたという。
『ゴールデンタイム』(稲葉卓也監督)は、この12月に公開が発表されたばかりだ。20分の長さのなかで、アニメーション映像表現への挑戦とエンタテインメントを両立させる。

新人賞の『ようこそぼくです選』(姫田真武)、『Airy Me』(久野遥子)、『WHILE THE CROW WEEPS―カラスの涙―』(鋤柄真希子/松村康平)は、いずれも短編アニメーションからとなった。優秀賞の吉浦監督にとどまらず、短編アニメーションから様々な分野で活躍する才能は多い、そうした可能性を感じさせる作家たちと言っていいだろう。
審査委員会推薦作品は、短編アニメーション、劇場長編、テレビシリーズと多様な分野から選ばれている。日本のアニメーションの多様性も見てとれる。一方で、海外からの作品も10作品と1/3近くを占めた。大賞の『はちみつ色のユン』と伴に、より海外に開かれたものにしたいという、メディア芸術性の現在の方向性も窺われる。

文化庁メディア芸術祭
http://j-mediaarts.jp/

[アニメーション部門]

■ 大賞
『はちみつ色のユン』 ユン/ローラン・ボアロー

■ 優秀賞
『有頂天家族』 吉原正行
『ゴールデンタイム』 稲葉卓也
『サカサマのパテマ』 吉浦康裕
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 庵野秀明

■ 新人賞
『ようこそぼくです選』 姫田真武
『Airy Me』 久野遥子
『WHILE THE CROW WEEPS―カラスの涙―』 鋤柄 真希子/松村 康平  

■ 審査委員会推薦作品
『「青の祓魔師」劇場版』 高橋敦史
『ウィリー・ウィンキー』 坂元友介
『エウレカセブンAO』 京田知己
『かまくら』 水尻自子
『がんばれ!ルルロロ』 ルルロロプロジェクト/あいはらひろゆき
『キックハート』 湯浅政明
『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』 
 超平和バスターズ 代表 長井龍雪、岡田麿里、田中将賀
『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』 黄瀬和哉
『古事記 日向篇』 山村 浩二 (日本)
『言の葉の庭』 新海誠 (日本)
『寫眞館』 なかむらたかし (日本)
『ちいさなおじさん』 あさののい
『陽なたのアオシグレ』 石田祐康
『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』 窪岡 俊之 (日本)
『みゃくみゃく -Drops of Life-』 今林 由佳 (日本)
『やますき、やまざき』 ししやまざき (日本)
『夜ごはんの時刻』 村本咲
『AKB0048 next stage』 河森正治
『Anomalies』 和田淳
『Bird Shit』 Caleb WOOD (米国)
『Communicating Vessels』 Andres TENUSAAR (エストニア)
『GrandFather』 『GrandFather』制作チーム代表 KIM Minwoo (韓国)
『Ici, la et partou』t 冠木佐和子
『Mahjong』 CHEN Xi (中国)
『MAZE KING』 キム・ハケン (韓国)
『NUNUI』 HETAYOTHIN Chanya (タイ)
『ONE AND THREE FOUR』 平岡政展
『Premier Automne』 DE CARVALHO Carlos / DANSET Aude (フランス)
『Professor Kliq - Wire & Flashing Lights』 Victor HAEGELIN (フランス)
『Semaforo』 Simon WILCHES-CASTRO (コロンビア)
『Tears For Narcissus』 Laura HARRISON (米国)
『WONDER』 水江未来

【関連写真】文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門に「パテマ」「ヱヴァQ」「有頂天家族」「ゴールデンタイム」等

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