2013年12月5日、文化庁メディア芸術祭実行委員会は、平成25年度[第17回]の文化庁メディア芸術祭4部門の大賞、優秀賞、新人賞の各賞を発表した。世界84か国・地域からの応募のあった4347作品から選ばれた作品だ。
一方、実行委員会は、メディア芸術分野に大きな貢献をした人物を顕彰する功労賞も発表している。功労賞は昨年第16回より拡充し、異なる分野から4名が選ばれるようになっている。
今年の受賞者は、阿部修也氏、柏原満氏、中村公彦氏、松本俊夫氏である。アニメファンにとって最も身近なのは、音響効果の柏原満氏であろう。
1933年高知生まれの柏原氏は、アオイスタジオに入社後、『鉄腕アトム』の音響効果などに携わった。『サザエさん』や『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』、『平成狸合戦ぽんぽこ』、『オネアミスの翼 王立宇宙軍』、き『銀河鉄道の夜』など代表作は数多い。その名前は、映画のクレジットで目にする機会も多いはずだ。贈賞理由では仕事の幅の広さやにも言及、「柏原サウンド」を日本のアニメーションのためにも残して欲しいとしている。
マンガ分野からは、同人誌即売会コミティアの実行委員会代表である中村公彦氏を選出した。同氏は、まんが情報誌「ぱふ」(雑草社)の編集部員、編集長を務める一方で、1984年にコミティアの設立に参画した。1985年以降は、代表を務めている。
コミティアは時として二次創作作品が脚光を浴びがちな同人誌の世界で、オリジナル創作にこだわり、30年にわたって続いている。中村氏が日本のマンガ界に貢献、底上げしてきた功績は計り知れないと贈賞理由では述べられている。
阿部修也さんは、エンジニアでありアーティストでもある。とりわけビデオアートの開拓者として世界的に知られるナム・ジュン・パイクの技術的な支援者でもあった。メディアアートを支える技術の役割を代表する人物と言っていいだろう。
松本俊夫さんも、ビデオアート分野の開拓者だ。ビデオアートだけでなく映像分野を軸に、表現、理論的研究などを行っている。
文化庁メディア芸術祭
http://j-mediaarts.jp/
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