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宮崎駿監督が引退、長編映画は「風立ちぬ」が最後に スタジオジブリ星野社長が発表

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世界有数の国際映画祭として知られるヴェネチア国際映画祭で、驚きのニュースが発表された。日本のアニメ映画、そして映画界を代表する巨匠・宮崎駿監督が、長編映画の製作より引退する。9月1日13時(現地時間)から行われたヴェネチアでの公式記者会見で、スタジオジブリの星野康二代表取締役社長が明らかにした。
宮崎駿監督は、2013年夏に零戦の設計者である堀越二郎をモデルにした『風立ちぬ』を発表したばかりだ。国内では興収80億円突破、観客動員数は640万人の大ヒットとなっている。この『風立ちぬ』が、宮崎駿監督の最後の長編映画となる。

公式会見には、スタジオジブリから星野康二社長、そして『風立ちぬ』でヒロイン・菜穂子の声を演じた瀧本美織が出席した。日本から唯一のコンペティション部門出品作、しかも世界的な巨匠・宮崎駿監督作品ということもあり、およそ270の記者席の会見場Palazzo del Casinoは、各国ジャーナリストで大盛況となった。
宮崎駿監督の進退について発表があったのは、この会見の最後である。星野社長が、次のように述べた。
「ベネチア映画祭には過去に何度も招待して頂きました。宮崎駿はリド島がとても好きです。世界に大変友人の多い宮崎駿に関しての発表をこの場でさせて頂きます。
『風立ちぬ』を最後に、宮崎駿監督は引退することを決めました。来週、宮崎駿本人による記者会見を東京で開きます。したがいまして、引退に関する質問は一切受けるできないことを了承頂ければと思います。くれぐれも皆さんによろしくということです。」
短いながらも、宮崎作品ファン、スタジオジブリのファンにとっては驚きの報告だ。今後、東京で開催される記者会見が注目されそうだ。

『風立ちぬ』は今年のヴェネチアでは、アニメーション映画が選ばれることの少ないオフィシャルコンペティションの作品のひとつとしてグランプリを競っている。今回の記者会見もそれに合わせたものだった。
また、宮崎駿監督は2005年のヴェネチアでは功労賞にあたる栄誉金獅子賞を、2004年には『ハウルの動く城』で金のオゼッラ賞を受賞している。ヴェネチアでの発表は、こうしたことに敬意を表したと言える。

宮崎駿監督の引退で、気になるのはスタジオジブリの今後であろう。ハイクオリティの劇場長編映画で世界的に知られるスタジオジブリを牽引してきたのは、宮崎駿監督とその先輩にあたる高畑勲監督である。
1986年の『天空の城ラピュタ』から今年11月公開の『かぐや姫の物語』まで、スタジオジブリが制作してきた長編アニメは19本ある。このうち9本が宮崎駿監督によるものだ。さらに高畑勲監督が5本とふたりで全体の7割以上にあたる。近年は寡作となっている高畑勲監督も、引退を明らかにした宮崎駿監督より6歳年上である。
今後は、『コクリコ坂から』や『ゲド戦記』などの宮崎吾朗監督、『借りぐらしのアリエッティ』の米林宏昌監督をはじめとする新しい世代にスタジオジブリが引き継がれることになりそうだ。

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