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サムスンとジェイ・Zがコラボレーション

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posted by Jay Kogami

サムスンとジェイ・Zがコラボレーション、ブランド価値を拡張するTVCMとコミュニケーション戦略

img via Fotopedia

以前にサムスンとヒップホップ・プロデュサーで起業家のジェイ・Zが2000万ドル近くのブランド・パートナーシップ締結に向けて交渉を進めていることをブログで書きました。どうやらその交渉は現実のものになりそうです。そしてそのスケールは企業スポンサーシップというレベルを超えています。

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ジェイ・Zはパーソナル・ブログ「Life and Times」の中で、「NBA FINAL GAME FIVE SUNDAY 9:15 EST」(日本時間17日10:15)のメッセージが表示されたSamsung Galaxy S4と、Rock-a-fellaレコードのゴールドチェーンの写真を投稿しました。Galaxy S4には「Tune In / Turn up the volume」のメッセージが表示されています。このメッセージから、現在行われているバスケットボールのNBAファイナルのコマーシャル内で、ジェイ・Zが新曲を発表するのではと予想されます。

img via Life and Times

ヒップホップアーティストのジェイ・Zがキュレーションを担当するライフスタイルサイト「Life + TImes」

テレビコマーシャル内で音楽を使うことは、TVCMタイアップのように日本でも存在します。しかし年に一度のイベントの最中にエクスクルーシブで、しかも番組内ではなくTVCMで新曲をプロモーションする試みは斬新な試みではないでしょうか?

ここに音楽を使ったブランディングの新しい可能性が見えてきます。

TVCMを音楽発表とイメージ作りの場に

NBAファイナルは年に一度のバスケ界最大のイベントで、オールスターゲームと並ぶ視聴率を叩きだすイベントです。NBAファイナルの視聴者の中の多くはスマホを片手にSNSや試合のデータをチェックしながら見ている人が多いはずです。スマホをプロモーションしたいサムスンにとってもNBAの視聴者は理想的なターゲット層になるはずです。

img via Techrader

恐らくジェイ・ZのTVCMが本当に流れるなら、その中ではGalaxy S4の機能説明などは一切語られないはず。ですがジェイ・Z本人あるいは音楽を使って「Galaxy S4カッコイイ!」というメッセージを訴求するのではないでしょうか?企業が語るよりも、アーティストと音楽でメッセージを伝えるコミュニケーション手法の方が一般消費者にはより自然に受け入れられます。

ジェイ・Zにとっても、サムスンのマーケティングパワーによって自身の音楽を一般層向けに大きくプロモーションを実施することができます。同時に、スマホを持ったSNSを活用する若者層やバスケットボールファンにも、NBAファイナルというイベントを通じて訴求することが実現するので、音楽に対して大きな話題を起こすことも可能になるでしょう。

NBAをフォローしている人ならご存知でしょうが、ジェイ・Zはバスケットボール界とは深いつながりがあります。ブルックリン・ネッツの共同オーナー(4月まで)、スポーツ・エージェンシー「Roc Nation Sports」の創業、ビデオゲーム「NBA 2K 13」の監修、さらにオールスターゲームにはコートサイドで観戦するなどスポーツファンにはお馴染みの顔です。ですので、NBAファイナルの間にジェイ・ZをフィーチャーするTVCMが流れても、スポーツファンには自然に受け止められます。

サムスンにとってもジェイ・Zのブランド力とクリエイティブセンスは若者層にリーチするために重要なアプローチとなります。音楽マーケティングとTVCMの有効活用から、両社の連携はお互いのブランド価値を高めてくれる理想的なパートナーシップと言えます。このようなブランド・パートナーシップは、企業のブランディング以外でもライブやフェスティバルといったあらゆる音楽事業に広がっていくことが次世代の音楽マーケティングで、今後の主流になりそうな予感がします。

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ダフト・パンクのミステリアスなTVCM

ブランドとのパートナーシップではないのですが、TVCMを使った音楽プロモーションの事例で最も新しいところでは、ダフト・パンクが活動復活と新アルバムのティーザーとしてアメリカで人気のテレビ番組「Saturday Night Live (SNL)」内でコマーシャルを流したことが新しい。SNLといえば、アメリカで土曜日の夜を代表する番組として誰もが知っているテレビ番組で、毎週有名人と音楽ゲストが出演することで広く一般に認知されています。

その番組内でコマーシャルを流せば、全米の音楽ファンの間で話題になるだけでなく、ダフト・パンクを知らない一般人でも興味関心を持つことに間違いありません。さらに予告なしの映像は「人に教えたくなる」「シェアしたくなる」要素を提供してくれるため、動画がSNSで波及しダフト・パンクに関するバズを瞬間的に起こすことにもつながります。

ダフト・パンクは上記のミステリアスなTVCMが流れた1ヶ月後にも最新アルバム「Ramdom Access Memories」のティーザー広告をSNLで予告なしにオンエアし、SNSやメディア上で話題を作るというプロモーション戦略を行って来ました。

個人的な意見になりますが、日本のテレビにはアメリカのSNLやNBAファイナル、スーパーボウルのようなキラーコンテンツが存在しません。ですので、音楽を使ったブランディングには可能性があると思うのですが、それを実現する「音楽とマーケティング(広告)」の適切なパートナーシップが今後は必要と感じます。確かにウェブで素晴らしいキャンペーンを実施するアーティストを多数見かけます。それらは本当に素晴らしい作品ばかりです。ですが、ウェブにアクセスする人に加えてTVCMを見る人の数を足したら、膨大な量のバズとより大きな情報の波及力が作れるのではないでしょうか?

音楽を使って企業とミュージシャンの価値を高めることは実現可能です。そのためには企業だけでなくアーティストも参加した、全てのチャネルを連動させたブランディングが今後もっと拡大して欲しいと期待しています。

■記事元http://jaykogami.com/2013/06/2984.html


記事提供All Digital Music

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