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「忍たま乱太郎-夏休み宿題大作戦!の段-」 田崎竜太監督インタビュー

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『忍たま乱太郎』が、この夏、劇場に登場する。本作は尼子騒兵衛さんの原作「落第忍者乱太郎」を映画化とするものだ。

これまでテレビ、アニメ、舞台などにもなってきたが、今回はエンタテインメント、アクション満載の劇場映画『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』が7月6日(土)に全国ロードショーされる。
劇場映画として、2011年に続く2作目、人気子役として活躍する加藤清史郎さんが主役を務める。また、特撮作品で高い評価を受けてきた田崎竜太監督がメガホンを取るのも話題、田崎監督に本作の見どころを伺った。

映画『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』
7月6日(土)全国ロードショー
http://www.nin-tama.com

■ 「忍たま」のよさは笑ってすっきり

-- アニメ!アニメ!(以下AA)
田崎監督と聞くと、多くの人はアクションものの特撮を思い浮かべる方が多いではないでしょうか?田崎監督が「忍たま乱太郎」を手掛けるということは意外性があったですが、監督自身は「忍たま乱太郎」を最初どのように受け取りましたか?

―― 田崎竜太監督(以下田崎)
原作は86年にスタートしたのですが、86年は僕がちょうど働き始めたくらいの頃なんです。三池(崇史)さんが監督された前作は拝見していましたが、原作とアニメにはほとんど触れたことがありませんでした。仕事を受けて調べ始めた時は、漠然と子供に人気のアニメなのかなと思っていました。
ただ知れば知るほど、すごくいろんな顔を持ったコンテンツなんだなと。例えばミュージカルの「忍たま乱太郎」は、9割以上が女性のお客さんですし、アニメでも土井先生や立花仙蔵、潮江文次郎など人気があるキャラクターがいます。
子どもは子どもの楽しみ方をしていて、大人のファンのかたは大人の楽しみ方をしている。非常に興味深かったですね、もちろん、今回の映画もそうならなければないと思っています。

-- AA
そうしたことも踏まえて、「忍たま」を映画化にする際にどのような点を心がけて撮影されましたか?

―― 田崎
原作に溢れているコメディの精神、笑い、ギャグを活かしていきたいなと。原作の尼子(騒兵衛)先生に言われたのは、“友情”とか“愛”といったテーマ性は絶対に出さないでくださいということでした。
テーマ性で語るのは、「忍たま」ではないんです。笑いのなかで観終わってすっきりするというのが「忍たま」のよさだと思いますのでそれを心がけて撮りました。

-- AA
今回、出演者が非常に多い印象ですが描き方などで気をつけた点はありますか?

―― 田崎
実は、三池監督の映画では今回の倍の出演者がでていたんですよ。今回は数を絞りたいと思いました。
「忍たま」の3人、先生たち、クラスメート・上級生たちといった関係ある人がいて、敵がいる。こどもたちが見てもわかりやすくなるように心がけました。

-- AA
子役の方々との撮影はいかがでしたか?

―― 田崎
撮影が始まると、「よーいスタート」でそれぞれの役に入れちゃう。仕事と遊びの切り分けが非常にしっかりしていて子役といえど大人の役者さんと同じでしたよ。でも休み時間はすごく子供らしい面もありましたけどね。

-- AA
撮影はほぼ京都で行われたと伺いましたが、スタッフの方も京都の方とか?

―― 田崎
はい、京都の伝統的な時代劇のスタッフにやっていただいています。本当に新しい出会いもあり、いままでご一緒したことのないスタッフの方々と仕事が出来ました。

-- AA
今回、新しいスタッフさんとの新しい試みはありますか。

―― 田崎
水戸黄門をやってらしたスタッフの方々なので伝統的な時代劇には慣れていらっしゃいます。一方で今回の映画に関しては、それとは別の楽しさも作らなければいけない。そこで忍たまの原作の良さであるギャグをいれたいとお願いしました。
水戸黄門には、ギャグはないじゃないですか。ただ、皆さん関西の方なのでお笑いのセンスは持っていらっしゃるんですよ。スタッフの方々にも頑張っていただいて、良いものができたと思っています。

-- AA
今回は、アクションもたくさんはいっていますね。

―― 田崎
忍者を描くにはやっぱりアクションは必要です。6年生はもうすぐプロの忍者になるという設定なので事前に殺陣の練習なども行い準備をしてもらい、アクション面で頑張って貰いました。

■ 見せ場はクライマックス、アクション、そして音楽</strong>

-- AA
これまで「忍たま」は、原作もあれば、アニメも舞台もある。映画ならではのオリジナリティーをだすのが大変そうですが。

―― 田崎
僕は自分のオリジナルを持ち込もうとはあまり考えないタイプなんです。それは過去にわたしが手掛けた仮面ライダーなどでもそうですね。作品の世界に浸れればいい。自分を出そうとはあまり考えていないです。

-- AA
「忍たま」の忍たまらしさは、どこにあると思いますか。

―― 田崎
原作とアニメを見て思ったのは、『戦国時代』のクラブ活動化だなと。戦国時代は通常通りに描くと、多くの人が死んで、傷ついて、という世界になりますよね。でもそうした戦国時代のなかで創意工夫が生まれたり、マイナス面でなくてプラスの面をクラブ活動的に描いていくということがこの「忍たま」には必要だと思いましたし、それをきちんとやり続けているのが原作だと思っています。

明るいテイストで戦国時代を描き、逞しく生きていく子供たち。林遼威くんが演じるきり丸は、家族全員が亡くなっていて土井先生の家に下宿しているんです。そうしたバックグランドを持っていても表に出さずに明るく笑える物語になっているところが「忍たま」の良さであり、らしさだと思っています。
他にもきり丸がお金を稼ぐために“アルバイトする場面”が出て来るんですよ。リアリティは適度にしつつ、こだわるとこところはこだわる。忍術は水遁の術、火遁の術という荒唐無稽な物よりも、いまでいう二重スパイの『袋返しの術』などを忍術として原作では描いているんです。そこは尼子先生がよく調べていらして、まさにリアルを追及しているという部分だと思います

ある方向ではケレン、こちらの方向ではすごくリアル、リアルとケレンの方向が一定じゃないんですね。そうしたことを続けていいるのが、原作の『落第忍者乱太郎』、そして『忍たま乱太郎』のいいところじゃないかな。そこはこの映画でも受け継ごうとしています。

-- AA
映画を撮る上での監督ならではのこだわりはありますか?

―― 田崎
映画のこだわりは生きている人間が演じるということでしょうか。今回は、いい役者さんが多く出演しています。こういう方たちが、子供の目線に降りてきて芝居をするのは本当は難しいはずですよね。でも、それをちゃんとやっていただいて感動しました。

-- AA
最後に映像として見せ場をご紹介いただけますか。

―― 田崎
映像としての見せ場はクライマックスでしょうか。キクラゲ城にみんなで乗り込んで行っての戦いのシーンは、見応えがあります。
みなさんは映像に目がいくとは思うのですが、今回は音楽を佐橋俊彦さんがやっておられます。非常に「忍たま」の世界にぴったりの音楽を書いていただきました。クライマックスも、佐橋先生の曲が素晴らしい盛り上げをしていますのでアクションに加えて音楽も注目していただければ嬉しいです。

映画『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』
7月6日(土)全国ロードショー
http://www.nin-tama.com

【関連写真】「忍たま乱太郎-夏休み宿題大作戦!の段-」 田崎竜太監督インタビュー

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