posted by Jay Kogami
ダフト・パンクと並んだ!グラミー賞にノミネートされたビートメイカー「Pretty Lights」、なんとアルバムはフリーダウンロード配信!
img via this song is sick
2013年12月に第56回グラミー賞の各部門ノミネーションが発表されました。1月27日(日本時間)に開催予定のイベントでは、すでにダフト・パンクが初めてライブを披露する話など、ゲストパフォーマーの話題が熱いグラミー賞ですが、そんなダフト・パンクと同じエレクトロニック部門になんと、フリーダウンロードで配信したアルバムがノミネートされたアーティストがいるのです。
「最優秀ダンス/エレクトロニカ・アルバム賞」にノミネートされたアメリカ人エレクトロニック・アーティストPretty Lightsのアルバム「A Color Map Of The Sun」。この部門は他にダフト・パンクの「Random Access Memories」、Disclosureの「Settle」、カルヴィン・ハリスの「18 Months」、Kaskadeの「Atmosphere」とどれもEDMシーンの大物ばかり。そして大手レコード会社のリリースばかりです。
そんな中にPretty Lightsの自主制作で、しかもフリーダウンロードで配信したアルバムが入っているんです。
フリーダウンロードです!自主制作で、もう一度言います。フリーなんです。
実際はこのアルバムは、サイトからフリーダウンロードできる他に、iTunes/Amazon MP3/Beatportから購入が可能。さらにPayPalを使ってドネーションすることもできます。
Pretty LightsことDerek Vincent Smithは、アメリカコロラド州出身のビートメイカーです。ジャズやソウルのサンプリングを使ったグリッチ・ヒップホップやソウルフルなビートなどジャンルを問わない音楽を作り続けています。またライブでもAbleton Liveを使ったパフォーマンスをするかと思えば、最近ではライブバンドによる演奏にも取り組んでいるようです。
コーチェラやボナルー, Ultra Music Festivalなど大型野外フェスのメインステージでプレイするなど、EDMシーンでも大きく人気と注目を集めており、またデジタルラジオのSirius XMで毎週自身の番組も持つなど活動の幅を広げています。
Pretty Lightsの「A Color Map Of The Sun」はフリーダウンロードでも、至る場所でフリーで視聴が出来るようになっています。
サイトでは全曲(ボーナストラックまで)フル視聴が可能。さらにSoundCloud、Spotifyでもフル視聴ができるようになっています。
http://prettylightsmusic.com/
https://twitter.com/prettylights
https://www.facebook.com/PrettyLights
http://www.youtube.com/user/PrettyLightsMusic
https://soundcloud.com/prettylights
SoundCloudで強いコミュニティ基盤を作る
Twitterフォロワーは13万人強、Facebookページには78万人以上のいいね!を獲得しているPretty Lightsですが、特筆するべきなのは、SoundCloudとYouTubeを巧みに使って、音楽をファンに向けてコンスタントに届けるコミュニケーションが強い指示を集めているように思えます。
それが伺えるのがSoundCloudで、フォロワー数はTwitterよりもさらに多い16万人以上です。例えばSoundCloudでは、アルバムの視聴以外にも、デモトラックやコラボレーション・トラック、リミック、自身のラジオ番組などを継続してアップして、音楽好きなファンに向けて活動をオープンに提供していっています。
継続して音楽を投稿しているので、再生回数やいいね数もコンスタントに多い時ではSoundCloudの再生回数が20万回やイイね数が1万を超える時に見られます。これがアーティスト自身でできるのであれば、これからはレコード会社にチカラを借りなくてもやりたいことができそうですよね。
過去に無料配信していたアーティストもグラミー賞にノミネートされた
またフリーダウンロードのアルバムではないのですが、「最優秀フォーク・アルバム賞」に「The Ash & Clay」がノミネートされたカリフォルニアのフォークデュオ「The Milk Carton Kids」も、フリーダウンロードで2011年に配布したアルバムが注目を集め、レーベル契約と新アルバムにつながった経緯があります。
http://www.themilkcartonkids.com/
https://www.facebook.com/TheMilkCartonKids
https://twitter.com/MilkCartonKids
現在はトム・ウェイツやWilco、The AntlersなどをリリースしているAnti Recordsと契約したThe Milk Carton Kidsは、「The Ash & Clay」は有料で販売しているものの、現在でも最初のアルバム2枚「PROLOGUE」と「RETROSPECT」をフリーダウンロードで配信しています。
この二組はDigital Music Newsの記事を読んで初めて知ったのですが、思わず二度見してしまいました。なぜならフリーダウンロードできるアルバムがグラミー賞だなんて、あまりにも音楽ビジネスの常識外れで聴いたことがなかったものでびっくりしました。
そしてこんな活動をしている人も認めてしまうグラミー賞も凄い!
今後は、デジタル音楽ツールが普及し一般化していけば、更に多くのアーティストが独自に制作した音楽を配信できる環境が整っていきます。そうなった場合は、大手レコード会社に所属せずともPretty Lightsのような活動で、ツールを使ってレコードをリリースしてライブで収益を上げ、好きな音楽を好きな時に制作できるアーティストが増えていくことが予想されます
これだけアーティストが独自に動ける環境が広まりつつある今、音楽活動に正解はなくなってきました。ですので、今の音楽シーンでは、多様化した価値観をファンと共有し、音楽を聴いてもらうことが1つの回答かもしれません。それを実現するには、ダフト・パンクのようなやり方もあれば、Pretty Lightsのようなやり方もあっていいと思います。つまり音楽をどう届けるか。
だからアーティストも自分で独立してやろう、自分たちの好きな音楽をやりたいと思うなら、デジタル化の中に身を委ねることがやりたいことを実現するための道ではないかなと思います。「SoundCloudを学ぶ」、「Facebookページを作ってみる」でも良いと思います。音楽を作る側は、これからは制作以外にも、音楽の届け方やコミュニケーションまでを考えながら取り組んでいかなければならない、そんな時代がすぐそこに来ている気がします。
■記事元:http://jaykogami.com/2014/01/5545.html
記事提供:All Digital Music
■ジェイ・コウガミ プロフィール:http://jaykogami.com/about
■Jay Kogami Twitter:http://twitter.com/jaykogami
■Jay Kogami facebook:https://www.facebook.com/AllDigitalMusic
ダフト・パンクと並んだ!グラミー賞にノミネートされたビートメイカー「Pretty Lights」、なんとアルバムはフリーダウンロード配信!
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2013年12月に第56回グラミー賞の各部門ノミネーションが発表されました。1月27日(日本時間)に開催予定のイベントでは、すでにダフト・パンクが初めてライブを披露する話など、ゲストパフォーマーの話題が熱いグラミー賞ですが、そんなダフト・パンクと同じエレクトロニック部門になんと、フリーダウンロードで配信したアルバムがノミネートされたアーティストがいるのです。
「最優秀ダンス/エレクトロニカ・アルバム賞」にノミネートされたアメリカ人エレクトロニック・アーティストPretty Lightsのアルバム「A Color Map Of The Sun」。この部門は他にダフト・パンクの「Random Access Memories」、Disclosureの「Settle」、カルヴィン・ハリスの「18 Months」、Kaskadeの「Atmosphere」とどれもEDMシーンの大物ばかり。そして大手レコード会社のリリースばかりです。
そんな中にPretty Lightsの自主制作で、しかもフリーダウンロードで配信したアルバムが入っているんです。
フリーダウンロードです!自主制作で、もう一度言います。フリーなんです。
実際はこのアルバムは、サイトからフリーダウンロードできる他に、iTunes/Amazon MP3/Beatportから購入が可能。さらにPayPalを使ってドネーションすることもできます。
Pretty LightsことDerek Vincent Smithは、アメリカコロラド州出身のビートメイカーです。ジャズやソウルのサンプリングを使ったグリッチ・ヒップホップやソウルフルなビートなどジャンルを問わない音楽を作り続けています。またライブでもAbleton Liveを使ったパフォーマンスをするかと思えば、最近ではライブバンドによる演奏にも取り組んでいるようです。
コーチェラやボナルー, Ultra Music Festivalなど大型野外フェスのメインステージでプレイするなど、EDMシーンでも大きく人気と注目を集めており、またデジタルラジオのSirius XMで毎週自身の番組も持つなど活動の幅を広げています。
Pretty Lightsの「A Color Map Of The Sun」はフリーダウンロードでも、至る場所でフリーで視聴が出来るようになっています。
サイトでは全曲(ボーナストラックまで)フル視聴が可能。さらにSoundCloud、Spotifyでもフル視聴ができるようになっています。
http://prettylightsmusic.com/
https://twitter.com/prettylights
https://www.facebook.com/PrettyLights
http://www.youtube.com/user/PrettyLightsMusic
https://soundcloud.com/prettylights
SoundCloudで強いコミュニティ基盤を作る
Twitterフォロワーは13万人強、Facebookページには78万人以上のいいね!を獲得しているPretty Lightsですが、特筆するべきなのは、SoundCloudとYouTubeを巧みに使って、音楽をファンに向けてコンスタントに届けるコミュニケーションが強い指示を集めているように思えます。
それが伺えるのがSoundCloudで、フォロワー数はTwitterよりもさらに多い16万人以上です。例えばSoundCloudでは、アルバムの視聴以外にも、デモトラックやコラボレーション・トラック、リミック、自身のラジオ番組などを継続してアップして、音楽好きなファンに向けて活動をオープンに提供していっています。
継続して音楽を投稿しているので、再生回数やいいね数もコンスタントに多い時ではSoundCloudの再生回数が20万回やイイね数が1万を超える時に見られます。これがアーティスト自身でできるのであれば、これからはレコード会社にチカラを借りなくてもやりたいことができそうですよね。
過去に無料配信していたアーティストもグラミー賞にノミネートされた
またフリーダウンロードのアルバムではないのですが、「最優秀フォーク・アルバム賞」に「The Ash & Clay」がノミネートされたカリフォルニアのフォークデュオ「The Milk Carton Kids」も、フリーダウンロードで2011年に配布したアルバムが注目を集め、レーベル契約と新アルバムにつながった経緯があります。
http://www.themilkcartonkids.com/
https://www.facebook.com/TheMilkCartonKids
https://twitter.com/MilkCartonKids
現在はトム・ウェイツやWilco、The AntlersなどをリリースしているAnti Recordsと契約したThe Milk Carton Kidsは、「The Ash & Clay」は有料で販売しているものの、現在でも最初のアルバム2枚「PROLOGUE」と「RETROSPECT」をフリーダウンロードで配信しています。
この二組はDigital Music Newsの記事を読んで初めて知ったのですが、思わず二度見してしまいました。なぜならフリーダウンロードできるアルバムがグラミー賞だなんて、あまりにも音楽ビジネスの常識外れで聴いたことがなかったものでびっくりしました。
そしてこんな活動をしている人も認めてしまうグラミー賞も凄い!
今後は、デジタル音楽ツールが普及し一般化していけば、更に多くのアーティストが独自に制作した音楽を配信できる環境が整っていきます。そうなった場合は、大手レコード会社に所属せずともPretty Lightsのような活動で、ツールを使ってレコードをリリースしてライブで収益を上げ、好きな音楽を好きな時に制作できるアーティストが増えていくことが予想されます
これだけアーティストが独自に動ける環境が広まりつつある今、音楽活動に正解はなくなってきました。ですので、今の音楽シーンでは、多様化した価値観をファンと共有し、音楽を聴いてもらうことが1つの回答かもしれません。それを実現するには、ダフト・パンクのようなやり方もあれば、Pretty Lightsのようなやり方もあっていいと思います。つまり音楽をどう届けるか。
だからアーティストも自分で独立してやろう、自分たちの好きな音楽をやりたいと思うなら、デジタル化の中に身を委ねることがやりたいことを実現するための道ではないかなと思います。「SoundCloudを学ぶ」、「Facebookページを作ってみる」でも良いと思います。音楽を作る側は、これからは制作以外にも、音楽の届け方やコミュニケーションまでを考えながら取り組んでいかなければならない、そんな時代がすぐそこに来ている気がします。
■記事元:http://jaykogami.com/2014/01/5545.html
記事提供:All Digital Music
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