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グレゴリー・ポーター、エネルギー漲る東京公演レポート到着

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9月6日に行われた男性ジャズ・シンガー、グレゴリー・ポーターのブルーノート東京公演、音楽ライター内本順一氏によるレポートが届いた。

今年3月から、わずか半年で早くも2度目の単独来日を果たしたグレゴリー・ポーター。3 rdアルバム「リキッド・スピリット」がブルーノート・レコードからの初メジャー作として9月4日に発売され、注目が集まる最中での公演だ。2ndステージを観た。

バンド・メンバーは3月と同じく、チップ・クロフォード(ピアノ)、アーロン・ジェイムス(ベース)、エマニュエル・ハロルド(ドラムス)、ヨウスケ・サトウ(サックス)。ポーターのレギュラー・バンドであり、アルバムでもこのメンバーが中心になって演奏している。

まず書いておきたいのが、3月に観たとき以上にこのレギュラー・バンドの一体感が増しているように思えたこと。ポーターが詩人としての才能にも長けたシンガー・ソングライターであることはアルバムを聴けばよくわかるが、ライブにおいてその側面が強調される場面はさほどなく、第一にバンド・アンサンブルに重きがおかれている。ポーター含めた5人の押しと引き、絡み方が、3月に観たときよりもいっそう絶妙かつ熱度の高いものに感じられたのだ。

この回では、まず2ndアルバム「ビー・グッド」から2曲歌われ、続いて新作「リキッド・スピリット」から3曲。再び「ビー・グッド」から2曲歌って本編が終わり、アンコールで1stアルバム「ウォーター」から1曲。新作のなかでは特にアルバムの冒頭曲「ノー・ラヴ・ダイング」の「絶対に絶対にもうぼくのもとで愛を死なせはしない」というフレーズがハッキリと意志を伴って響いてきてグッときた。強い気持ちを訴えるときのポーターのヴォーカルはそのまま強くダイナミックなものとなる。そこに揺さぶられる。

しかし全編通して最も印象に残ったのは、やはり本編ラストの「ビー・グッド」とアンコールの「1960ホワット?」だ。片や胸に沁み渡るバラードで、片や緊張感を孕んだメッセージ性とグルーヴに強度のある曲。対極にあるようでいて、ポーターの作風とか世界観を代表するような2曲であり、極論するなら彼の全ての曲はこの何れかの方向性に含まれるようにも思う。ざっくり書くならラブ・ソングとプロテスト・ソング。そう、グレゴリー・ポーターとは愛と自由を歌うシンガーなのだと、改めてそのことを再認識できた夜であった。(文・内本順一)

ブルーノートからの新作「リキッド・スピリット」はヨーロッパ各国で発売され、既にiTunesジャズ・アルバム&シングル・チャートにて、イギリス、フランス、ドイツ、オランダなどで1位を獲得。今、最も世界が求める声となっている。また、新作からのファースト・シングル「リキッド・スピリット」のミュージック・ビデオが公開されている。

Gregory Porter - Liquid Spirit

Information
リリース情報

アルバム「リキッド・スピリット」

2013年9月4日発売
TOCP-95139 2,600円(税込)

関連リンク
グレゴリー・ポーター ユニバーサル公式サイトhttp://um-llc.jp/gregory/


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