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『プロ直伝! 職業作曲家への道』出版記念 特別対談 「続・プロ作曲家になる方法」

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プロデューサー 山口哲一 氏

音楽プロデューサー 伊藤 涼 氏

『プロ直伝! 職業作曲家への道』出版記念 特別対談
「続・プロ作曲家になる方法」


プロデューサー/コンテンツビジネス・エバンジェリスト 山口哲一
音楽プロデューサー 伊藤 涼

作曲家育成セミナー「山口ゼミ」開始時に、対談インタビューをお願いした山口哲一さんと伊藤涼さんに、書籍『プロ直伝! 職業作曲家への道』の出版を記念して、対談をお願いしました。


「山口ゼミ〜プロ作曲家になる方法〜」開催記念 特別連載:http://www.musicman-net.com/report/79.html
『プロ直伝! 職業作曲家への道』:http://www.rittor-music.co.jp/books/12317323.html

山口 哲一(やまぐち・のりかず)
プロデューサー/コンテンツビジネス・エバンジェリスト
1964年東京生まれ。株式会社バグ・コーポレーション代表取締役。
SION、村上"ポンタ"秀一、村田陽一等の実力派ミュージシャンのマネージメントを手がけ、音楽プロデューサーとして 東京エスムジカ、ピストルバルブ、Sweet Vacationなどの個性的なアーティストを世に送り出した。
音楽における、ソーシャルメディア活用法の実践的な研究の第一人者でもある。プロデュースのテーマには、ソーシャルメディア活用、グローバルな視点、異業種コラボレーションを掲げている。
『デジタルコンテンツ白書2012/2013(経済産業省監修)』編集委員を務める。
著書に『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本(ダイヤモンド社)』(共著:ふくりゅう)、『ソーシャル時代に音楽を"売る"7つの戦略(リットーミュージック)』、『プロ直伝!職業作曲家への道(リットーミュージック)』がある。
Twitter:http://twitter.com/yamabug
ブログ:http://yamabug.blogspot.jp/
詳細profile:http://ht.ly/42reJ

伊藤 涼(いとう・りょう)
音楽プロデューサー
ジャニーズ事務所が運営するレコード会社Johnny’s EntertainmentでNEWSのプロデューサーを歴任。
2005年には修二と彰の『青春アミーゴ』をミリオンセラーに導く。
2009年6月に退社し、株式会社マゴノダイマデ・プロダクションを設立。
「ここにいたこと (AKB48)」「走れ!Bicycle (乃木坂46)」の作曲者。
Twitter:https://twitter.com/ito_ryo
株式会社マゴノダイマデ・プロダクション:http://www.mago-dai.com/

1.
●今回の書籍「プロ直伝!」は、「山口ゼミ」の経験がベースになっているとか?

山口:そうですね。今年の初めから、2ヶ月で8日間の「山口ゼミ」をやって、第2期も行い、また、修了者向けにシニアコースとして、extendedと名付けた6ヶ月間月二回のクラスも始めています。その経験は書籍に反映されていますね。

伊藤:山口さんは、過去にも何冊か本を出しているけれど、僕にとっては初めての書籍だったので、CDのジャケット校正とは違った緊張感がありました(笑)。

山口:僕は途中から、楽しくて仕方なかった。素晴らしい人たちと話して、それを若い世代に伝えるって、「俺、良い仕事してるな」って(笑)。

●山口さんは書籍の中で「音楽はオワコンじゃない!」って、書かれていますね? 改めて、今の日本で作曲家を目指すことの意味をどうお考えですか?

山口:音楽ビジネスは無くならないし、ソーシャルメディア時代には、コミュニケーションを促進する力のある音楽の価値は高まることはあっても、下がることは無い。今はマネタイズの仕組みが過渡期なので、不安になるけれど、音楽の力を信じようというメッセージは込めたつもりです。

伊藤:オワコンって「終わったコンテンツ」ってことですよね? 正直、初めて聞きました(笑)。次から次へと新しいコンテンツが生まれる、今っぽい言葉ですよね。音楽がオワコンって言われてしまう感じは分からないでもない、昔ほどクリエイティブな面でもビジネスの面でも魅力がなくなってしまったんですよね。それはオーディエンスがどんどん生まれる新しいモノに目移りして、興味を失ったことが原因ではなく、創る側の“変化”だと思うんです。ひと昔前は、職人さんがひとつひとつ丹精を込めて手作りしていた。そして、それを信じる人たちが汗を流して駈けずりまわり人々に伝えた。そういう熱をオーディエンスも受け取り、また職人に創作意欲という形で戻ってきていた。でも今は、ベルトコンベアに乗せて「ハイ、おしまい!」。インフラも整っているから無駄な動きをせずに大量生産も出来るし、オーディエンスにも簡単に届けることができる。でも、その“便利”と引き換えに失ったものもデカイ! 山口さんは、マネタイズの仕組みの過渡期とおっしゃいましたけど、それと同時に“ものづくりスピリッツの過渡期”でもあると思うんです。音楽業界の時代の流れを見ても、必然だとは思うので、これを“怠慢”と言ってしまうと厳しすぎるように思いますが、いまこそ見直しが必要な時期にきているように感じます。そして、もちろん作曲家は“創る側”の重要セクションなわけで、彼らの頭の中でも、大きな改革が起きていなければいけないと思いますね。

山口:テクノロジーの使い方が大事な時代ですよね。楽するだけではなく、クリエイティブなツールとしても使いこなさないとね。
 それに、2010年代の日本人って恵まれていると思うんですよ。例えば30年前に比べて、グローバルに活躍できる可能性が、めちゃくちゃ大きくなっている。アニメやコミックのお陰も大きいけれど、僕ら日本人が何も努力してないのに、J-POPのファンが世界中にいるんですから。日本人であると言うことは、それだけで有利だと思います。そんな時代に生まれた日本人の優位性を活かして、世界的に活躍する音楽家がもっと増えて欲しいです。

伊藤:そうですね。いつまでも「いってもオレら、島国育ちだから…」っていう言い訳は通用しません。ジャパニーズであることに誇りを持って、どんどん世界に出て行ってほしいです。

山口:これまでは国内の市場に絞る方がマネタイズという意味でも効率的だったかもしれないけれど、これからはアジア新興国など経済が成長する国で稼ぐ方がよくなる、そんな時代ですからね。

●実際の講義と書籍の違いはどんなところですか?

山口:書籍は、構成を整理して書きますから、論理的には理解しやすいでしょうね。何度も読み返したりできるし、考え方を整理するのには役に立つと思います。ただ、デモテープのクオリティを上げるのは、講座の方が即効性あると思います。やっぱり伊藤涼の厳しい「伊藤斬り」の洗礼を受けないとね(笑)。

伊藤:いつの間にか、僕のデモ音源公開添削コーナーが「伊藤斬り」になっていますね(笑)。ジャニーズ時代にディレクターとして、嫌というほどデモ音源を聴いてきて、作曲家と向き合ってきたので、「伊藤斬り」こそが、僕の出来るメインイベントですね。やっぱり音楽なので、活字では伝えきれない「パッとしてギュッ」とか「ドドドドドーーーン」とかあるじゃないですか。受講生のデモを聴いて、彼らの前で話しているとテンション上がるし、書籍とは違った感情的な言葉がどんどん溢れてくるんですよね!

山口:CDとライブの関係に似ていますね。

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『プロ直伝! 職業作曲家への道』出版記念 特別対談 「続・プロ作曲家になる方法」(2/3)

2.
●書籍の中の言葉で、それぞれ心に残ったものを一つずつあげてください。

伊藤:こだまさおりさんがインタビューで言われていた「得意なことは相手がきめてくれる」ですね。一見、消極的にみえる言葉ですが、信頼できる人たちと、正しいコミュニケーションをしていないと言えないコトバだと思います。今の作家さんたちは、ひとりで完結してしまう作業をしている人が多いですから、もっとたくさんの人とコミュニケーションをとって、自分を見つけて欲しいですね。そういう自分も、山口さんに出逢ってから、色々な自分に気づかせてもらっています。

山口:マネージメント気質が抜けないので、誰と向き合っても、この人の才能はどうすればもっと活かされるかな? って考える癖があるんですよ。相手によっては嫌がられるのですが、お役に立てているならよかったです(笑)。

 僕はm-floの☆Takuさんに、これからの作曲家にメッセージを訊いた時に、即座に「ともかく、英語を覚えてください」と答えてくれたのが印象的でした。僕の「心得」に加えさせてもらうつもりです。

 それから、ご自分がかかわりたい新人作曲家について、崎元さんが“社会不適格者”、玉井さんが“1つ取り柄があって、あとはほとんど欠点みたいな人”って言っていて、強く共感しました。僕も同じだなって、苦労しますけどね(笑)。

●書籍の内容は、第3期の「山口ゼミ」にフィードバックされますか?

山口:フィードバックというか、まんま教科書として使うつもりですよ。要点を説明したら「後は、このページを読んで、わからないところがあったら質問して」とかやると思います。講座では、生じゃないと伝わらないことに集中できる。

伊藤:それから、「山口ゼミ」ではFacebookのグループやグループウエア(サイボウズLIVE)を使っているので、受講生と日常的にコミュニケーションをとっています。月に2回の講座はOFF会的というか

山口:そうですね。オンラインでのやりとりと、実際に会うのとがバランス良いかなと思っています。サイボウズでデモテープを聴くのも、始める前はシンドイかなと危惧していたけれど、始めてみると結構楽しい。もちろん、受講生のやる気があって、成長ぶりが見られるからですけれどね。

伊藤:オンラインで繋がっていると「24時間開講中」っていう感じ。次々と質問も音源もあげられるので、いまではFacebook グループとサイボウズLIVEをチェックするのが、毎朝の日課になっています。もちろん移動中やちょっとした空き時間にもチェックして、なるべく早いリアクションをするようにしています。そこで実感するのが、今まで作家事務所というフィルターを通して付き合ってきた作曲家に比べると、成長の度合いがハンパなく早い。最初は、大丈夫かな? って思っていた受講生も、たった数か月で信じられない変貌を遂げたりするんですよ。自分で言うのもなんですが! このゼミってもう、発明ですよ(笑)!!

●2ヶ月間の「山口ゼミ」の修了者だけが参加できるという「山口ゼミextended」について教えてください。面白いネーミングですね。

山口:一応、2ヶ月8日間で集中して、基本的な考え方は伝えているつもりなんですよ。でも、第一期でやってみたら、「はい。あとはプロになれるように頑張ってね」って言うのは、ちょっと無責任かなという気がしてきて。まあ、そんな甘くないのは当たり前なんだけれど。なので、「延長戦」という意味と「能力を伸ばす」という意味で、extendedというコースをつくったんです。

伊藤:extendedでは、とことん実践ですね。毎月数本のコンペをやっています。良い曲があれば、実際にプレゼンしてでも売り込むので、コンペじゃなくても前向きに、どんどん曲を作るようにしています。

●これまでの「山口ゼミ」では、どんなコンペに参加していますか?

山口:あまり口外することでは無いのですが、エイベックスの著名アーティストのシングル曲とか大きなコンペに参戦させています。先日も某TVアニメのエンディング曲の最終の2曲にまで残ったけど、落ちてしまって残念でした。

伊藤:出来るだけたくさん決めたいですけど、やっぱりシングル曲を取りたいですからね。良い曲があがってきたときは、どんどん知り合いに聴いてもらっています。ジャニーズまわりのディレクターは勿論、音楽出版社のディレクターや、いま活躍している作曲家にも。どんなチャンスが転がっているか分からないですからね!

山口:本気で狙って、NGでも、成長につながると良いなと。オンラインで何度もダメ出ししています。

伊藤:受け取る側の印象もあるから、クオリティ管理は必要。「山口ゼミ」から来ているデモはクオリティが高い、というブランディングも大切にしています。

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『プロ直伝! 職業作曲家への道』出版記念 特別対談 「続・プロ作曲家になる方法」(3/3)

3.
●Co-Writing Farmについて教えてください。

山口:extendedを始めた時から、考えていたのですが、修了生を対象に、コンペ情報や仕事の斡旋をする仕組みをつくりたいなと。OBOG会でもあるのだけれど、エージェント的な機能も持たせたいなと。

伊藤:仕事紹介とコンペ情報をくれるだけのエージェントなら、やる意味無いと思っていたんです。そもそも、営業が得意じゃないので、自分がやるべきでないと。でも、育成というところから音楽業界の入り口までプロデュースして、プロの仕事をはじめてもフォローアップしていく。そして、彼らのプラットフォームとして場所とコミュニケーションを提供していけるのであれば、それは自分がやるべきスタンスだと思ったんです。

山口:そうですね。業界ルールは守れるように教育したつもりなので、そこは僕らが責任持つとして、作品発表の機会を増やしたいです。だから、山口ゼミextendedを終了しただけでOKではなくて、プロレベルの仕事ができると認めた人だけを会員にするつもりです。

伊藤:お遊びのサークルでもないし、学校でもない。インディペンデントなプロ作曲家がお互いを高められる場所。そして、そこにはいつもFUN もANSWERもある場所にしていきたいですね。

●話は変わって、書籍のティザー映像がかっこいいですね?

山口:僕がTO-FUの大森さんというクリエイターのファンで、無理してお願いしました。motion graphicの分野では有名な人なんですけれど、快く受けて下さって嬉しかったです。出来映えもすごく気に入ってます。

伊藤:どうせだからと、映像の音楽は、ゼミ内でコンペをやって、大森さんに選んでいただきました。決して大きな仕事ではありませんが、みんなの前で選ばれた曲を発表したときは、拍手が起こり良い感じでしたね。山口ゼミに参加した数か月で、なんかもう戦友みたいな空気感が出来上がってきているんですよ!

山口:パソコンに向かって作曲するのって孤独な作業だから、同じ志を持つ仲間がいるのは、僕らが思う以上に、嬉しいことみたいですね。講座を重ねるごとに教室の雰囲気が良くなっていって、それにこっちが乗せられる時もありますね。

●この本で言い足りなかったことはありますか?

伊藤:ここでは言い切れないくらいたくさんありますけど、活字では言い表せられない事こともたくさんありました。だからこそ、山口さんのいう所のライブ(ゼミ)に来てほしいですね。その場でしか生まれないコトバがたくさんあるし、そこで感じてもらわないと伝わらないこともあると思うんで!

●この本の上手な活用方法を教えてください。

山口:どうなんでしょうか? どこから読んでも大丈夫になっています。文字が多いから(笑)、読書が苦手な人は、ちょっとずつ読んでもらえばいいかな。

伊藤:いつでも手の届くところに置いておく、バイブルにしてください!

山口:ちゃんと読んでくれた人はデモテープへのアドバイスもやっています。それから、7月末には、電子書籍版も発売の予定ですので、もう少々お待ちください

●続編の予定はありますか?

山口:うーん。最近、活躍している20代、30代の作曲家との交流が増えてきたので、定期的に対談イベントを企画しています。それをまとめて、増補版的に出すとか、やりたいですね。それこそ、電子書籍向きかも知れない。

伊藤:ゼミをやっていると、どんどん言いたいことが増えてきちゃうんです。しまいには、ゼミでも伝え切れなくなってしまう。それを、もどかしく感じたら続編を出したいですね。

●最後に一言お願いします。

伊藤:最近よく思うんですが、この本やゼミを通しての“出逢い”は、僕にとっての未来なんだと。彼らには、僕の持っている経験や知識や人脈を提供できる。そして彼らも、僕の知らないもの、出来ないもの、感じられないものを、きっと知らず知らずのうちに、たくさんくれている。それが、お互いこれからの糧となり、音楽というフィールドのなかで花ひらいていければいい。そしていつか、プロの音楽家として一緒に音楽を作れるような関係でいれたら、それはすごく嬉しい。だとすると、結局のところ本もゼミも“出逢い”のツールなんだと思います。でも、それでいいんじゃないかな(笑)。「音楽が好き」って言える人たちが集まって、良い音楽を作り、これからの音楽を切り開く。こんな当たり前なことが出来る、きっかけになればいいと思っています。

山口:” 出逢いのツール”ね。さすが作詞家は良いこと言うね(笑)。同感です。音楽業界が過渡期なので、若手育成も大事だとは思っているのですが、あくまで僕の本業はプロデューサーなので、ヒット曲と人気音楽家を産み出さないといけないと思っています。日本の音楽シーン活性化のために、引き続き、がんばります。

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『プロ直伝! 職業作曲家への道』
曲作りを仕事にするための常識と戦術、そして心得

著者:山口 哲一
定価:1,890 円(本体1,800円+税)
発売中
リットーミュージック

書籍詳細
http://www.rittor-music.co.jp/books/12317323.html



●山口ゼミ

作曲でメシが食いたい!!
山口ゼミ第三期開校のお知らせ!!

2013年9月に第3期開校!! 30名の受講者を募集します。
参加条件は、作曲を職業にしていこうと考えている方、
東京で開かれる講座に参加可能な方。

現状の技術、デモのクオリティは問いません。

お問い合わせ・お申し込みは、以下の公式HPから

http://www.tcpl.jp/openschool/yamaguchi.html

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山口塾長をはじめとするスタッフチームが疑問、不安を解消致します。

山口ゼミ無料説明会
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お問い合わせMAIL:info@tcpl.jp
定員:各日程40名 先着順


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