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「風立ちぬ」ヴェネチアで大きな拍手 アニメーション映画で賞獲りなるか?

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国内で大ヒット公開中の映画『風立ちぬ』が、9月1日、イタリアで開催中のヴェネチア国際映画祭で公式上映された。本作は同日、スタジオジブリ社長の星野康二社長から引退が発表された宮崎駿監督の最新作だ。
『風立ちぬ』は他の19本の作品と伴に、映画祭コンペティション部門の公式作品となっている。公式上映は世界の映画業界人に作品を紹介する場となるだけでなく、グランプリにあたる金獅子賞をはじめ各賞を競うことにもなる。

海外では初披露となる公式上映は、9月1日19時15分からスタートした。会場はおよそ1000席を備える大型劇場Palazzo del Cinemaである。
会場には、スタジオジブリの星野康二社長、そして本作のヒロイン菜穂子の声を演じた瀧本美織さんがゲストとして姿を見せた。瀧本さんはフェスティバル、そして何事にも熱いイタリアに相応しい赤いドレスで現れた。レッドカーペットに合わせて、「今日はカーペットに溶け込もう!」との思いで決めたものだ。会場から大きな拍手が巻き起こった。

映画上映中は、観客からは各場面で笑いが起きるなど楽しんでいる様子だった。また、クライマックスシーンでは、日本と同様に涙ぐむ姿も見られた。
上映終了後には、観客が立ち上がり5分にもわたるスタンディングオベーションとなった。感極まった瀧本さんが大粒の涙を流す場面もあった。観客たちからは、作品を称賛する声が相次いだ。

映画への評価の高さは観客だけにとどまらない。映画祭にあわせて報じられる海外メディアの映画評でも、『風立ちぬ』への好意的なものが相次いでいる。各メディアでも大きく報じられている宮崎駿監督の引退発表に華を添えている。
今後、気になるのは、『風立ちぬ』が受賞にいたるかどうかだ。ヴェネチア国際映画祭は、これまでコンペティション宮崎駿監督作品は2004年に『ハウルの動く城』、2008年に『崖の上のポニョ』がコンペティション部門に選出されている。『ハウルの動く城』は過去にオゼッラ賞を受賞した。
しかし、ヴェネチア国際映画祭は、他の大型国際映画祭と同様に、アニメーション映画がコンエペティションに選ばれるケースは少ない。これまでに金獅子賞、銀獅子賞を受賞した作品はない。『風立ちぬ』がこの壁を突き崩せるのか注目される。もし、そうなれば2002年にベルリン国際映画祭で、アニメーション映画としては初の金熊賞を受賞した『千と千尋の神隠し』以来の快挙となる。

『風立ちぬ』
http://kazetachinu.jp/

ヴェネチア国際映画祭
http://www.labiennale.org/en/Home.html

【関連写真】「風立ちぬ」ヴェネチアで大きな拍手 アニメーション映画で賞獲りなるか?

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