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同じ性能の86/BRZで戦うときに出せる「差」とは?【86/BRZレース参戦記02】

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86のワンメーク用車両は、86Racingというモデルです。
これは生産された後、TRDに持ち込まれてロールケージなどの装備を組み込まれ、エンジンに封印してから、納車される特別なクルマ。そうした手作業の部分もあって、ただでさえ時間がかかる。しかも予想以上に大量の注文が入ったため、生産が間に合わなくなってしまっていたそうです。

多くのトヨタ車、86を販売している神奈川トヨタだったら、車両なんてすぐに手に入る、と思ったら大間違い。マスターワンが発注した86Racingは、神奈川トヨタの「お客さま優先」の姿勢もあったのか、簡単に届きそうもありません。それでノーマルの86に、TRDのダンパーなどのパーツを組み込み、走行テストを開始していました。

最大のテーマは、速さに直接響いてくるタイヤの選定。

しかし6月、季節はあいにくの梅雨。
開幕戦の舞台でもある富士スピードウェイでのテストはことごとくウエットで、完全なドライでのタイヤテストも、タイムアタックもできないまま。それは86Racingが届いてからも続き、テストデータは増えていったが、ドライのデータは十分とはいえない状況でした。

「2分7秒台がコンスタントに出ている」「新しく出たタイヤが1秒速いらしい」などと、噂はいろいろと駆けめぐっていたが、本当にどれくらいのタイムが出るのか? どのチーム、どのドライバーが速いのか? そして、どのタイヤの戦闘力が高いのか? 何ひとつ確証はありません。

「結局、自分たちがやってきたことの中から、ベストだと思うことをやるしかない」と、プロジェクトリーダーの額田さんは決断。これまでのテストデータによって得られたセッティング、そしてダンロップタイヤを組み込んでレースに望むことになります。

この86/BRZレースでは、車検を終えてからはクルマのセッティングを変えることができない。予選と決勝は同じセッティングとタイヤで走ることになるわけです。唯一変えられるのはタイヤの空気圧くらいなのです。

参加台数は82台と多かったので、予選は2つのグループに分けて行われました。記録したタイムは2分10秒586で、グループ8位。これは前日の練習走行よりも1秒以上タイムアップしていたものの、トップからは2秒落ちでした。

(岡村 神弥)


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